〇よい筆の条件
・穂先(命毛・ノゲ)に良い毛が使ってあること。
・ノドの廻しがよくきき、胴から腰にかけて強いこと。
・含みよく、絵具・墨がたまらず、おりのよいこと。
(彩色やぼかし、線描など、用途により異なります)

〇筆の手入れ方法

〇洗い方
水〜ぬるま湯程度の温度で、にかわや絵具が残らないよう、筆の根元までしっかり洗ってください。
熱湯は接着剤が溶けてしまう可能性がありますので、使用しないでください。

〇石鹸などの使用について
強いアルカリ性、香料・保湿成分などは筆にとって害となる場合があります。使わない方が無難です。

〇乾燥
きちんと乾かさずにおくと、毛抜けやカビの原因となります。使ったらきちんと乾かしてください。
ドライヤーは、接着剤の溶解・軸割れの原因となりますので使用しないでください。
暖房の真下やストーブの上なども同様の理由からやめてください。
干す際は、風通しのよい場所で穂先が下になるよう吊るすのが一番ですが、無理な時は寝かせてください。
水分が軸の方へ行ってしまうため、穂先が上になるようには干さないでください。

〇保管
通気性のよい風通しのよい場所で保管してください。
干す際と同様、一番よいのは吊るして保管することですが、無理な場合は寝かせてください。
使用後の筆に筆サックをしたり、筆巻に巻いたままにしたり、通気性が悪い状態で長期間保管すると、蒸れやすく、毛抜け・軸割れ・虫食いの原因となります。



〇主な毛の種類

外見は、当店で主に用いられる筆のものを記しています。
実際には、部位や品種によって色が異なる場合がございます。

イタチ毛
強くコシがあるので、線描の命毛や面相筆などに用いられます。
外見:茶色
使用例:イタチ面相、白眉など。

コリンスキー
中国〜ロシア近辺に広く生息するイタチの一種、チョウセンイタチ(別名、シベリアイタチ、タイリクイタチ)の毛。
イタチ毛よりも柔らかくしなやかです。
外見:明るい茶色
使用例:茶軸コリンスキー面相など。

狸毛
強めの毛。毛先の方が太く強くなるという特徴があります。
外見:部位によって異なる。薄茶がかった白〜黒
使用例:毛書面相など。

羊毛

ヒツジではなくヤギの毛。 ヤギの一種にヤマヒツジというものがおり、その毛を使っていたことから羊毛と呼ぶようになったそうです。
柔らかく、含みが良い毛質。
外見:白
使用例:彩色をはじめ、色々な筆や刷毛に用いています。

馬毛
こしが強い。付立筆など、中太以上の筆によく使います。
外見:茶色
使用例:長流、山馬など。

玉毛
猫毛。柔らかい。毛の先端に近い部分が球状になっており、点付や面相に用います。
外見:白
使用例:蒔絵筆、白玉など。

リス毛
絵具のおりが良いので金泥用の筆や刷毛によく用いられます。
外見:毛先は白、根元は黒
使用例:金泥用丸筆・金泥用平筆など。

豚毛
硬い毛質。
外見:黒または白
使用例:唐刷毛など。

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